大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和32(あ)2473 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人小野清一郎、同竹内誠の上告趣意第一点について。

しかし、論旨援用の東京控訴院の判決は刑訴四〇五条三号所定の判例に該当しな

いものである。第一審判決が被告人の判示暴行と被害者の受けた判示傷害との間に

因果関係の存在を認めたことは、その挙示する証拠により肯認できるところであり、

かつ、その因果関係が被告人の判示所為につき傷害罪の刑事責任を負わしめるに十

分なものであることは、当裁判所の判例(昭和二二年(れ)第二二号、同年一一月

一四日第三小法廷判決、判例集一巻六頁、昭和二四年(れ)第二八三一号、同二五

年三月三一日第二小法廷判決、判例集四巻三号四六九頁、昭和二九年(あ)第三六

〇四号、同三二年二月二六日第三小法廷判決、判例集一一巻二号九〇六頁等参照)

の趣旨に徴し肯認できるところであるから、所論中、高等裁判所の判例に違反する

旨の主張は、第一審判決並に原判決が前示最高裁判所の判例の趣旨に副う以上、刑

訴四〇五条三号の適法な上告理由に当らない。また所論中事実誤認の主張は適法な

上告理由に当らない。

同第二点について。

所論は単なる法令違反の主張であつて、適法な上告理由に当らない(なお、暴行

による傷害罪の成立には暴行と傷害との間に因果関係の存在を必要とするにとどま

り、傷害の結果についての予見は必要としないものであり、この点についての原判

示は相当である=前掲昭和二五年三月三一日第二小法廷判決並びに昭和三二年二月

二六日第三小法廷判決参照)。

また記録を調べても刑訴四一一条を適用すべきものとは認められない。

よつて同四〇八条により裁判官全員一致の意見で主文のとおり判決する。

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昭和三四年六月九日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 河 村 又 介

裁判官 島 保

裁判官 垂 水 克 己

裁判官 高 橋 潔

裁判官 石 坂 修 一

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